HTLV-1基礎知識Q&A
HTLV-1の感染
- HTLV-1にはどのようにして感染しますか
- HTLV-1は家族にうつりますか
- 水平感染や性感染とはなんですか
- 夫にうつしていないでしょうか/妻にうつしていないでしょうか
- HTLV-1感染が判明したら性行為は避けた方がよいですか
- HTLV-1がうつりやすい、あるいは、うつされやすい性行為はありますか
- 輸血感染とはなんですか
- 輸血を受けたことがありますがHTLV-1に感染している可能性はありますか
- 海外で輸血を受けたことがありますがHTLV-1に感染している可能性はありますか
- HTLV-1の感染力は強いのですか
- HTLV-1は日常生活でうつりますか
- 医療行為でHTLV-1に感染しますか
- HTLV-1は遺伝しますか
- HTLV-1にはどのようにして感染しますか
- HTLV-1の感染は、HTLV-1感染者の血液、母乳、精液等に含まれるウイルスに感染した細胞が生きたままの状態で大量に相手の体内に入り込むことで起こります。このHTLV-1感染細胞が生きたままの状態で大量に体内に入り込むのは、主に母乳を介した母子感染と、性行為感染、HTLV-1感染者からの臓器移植による感染があります。以前は、輸血を介した感染もありましたが、昭和61年以降は日本赤十字社において、献血された血液がHTLV-1に感染しているかを調べるようになったため、現在は国内での輸血による感染はありません。
また最近、母子感染には母乳を介する感染だけではなく、ごくまれに胎盤からの感染の可能性もあるという研究データが得られています。 - HTLV-1は家族にうつりますか
- HTLV-1は、感染する力がとても弱く、ウイルスに感染した細胞が生きたまま 大量に体に入らないと感染しません。授乳と性交渉(セックス)を除いて、普通の家庭生活において感染することはありません。
- 水平感染や性感染とはなんですか
- 母子感染(垂直感染)以外のルートで人から人へ感染が広がることを水平感染といいます。水平感染のうち、性行為によって起こる感染を性感染といい、HTLV-1の場合、精液中に存在するHTLV-1感染細胞を介して起こる場合が多いと考えられています。
- 夫にうつしていないでしょうか/妻にうつしていないでしょうか
- 一度の性交渉で感染してしまうリスクは極めて低いと考えられています。特に長期間にわたって同じ人との性行為が続くパートナー間での感染が多いようです。性行為による水平感染の実態は十分に解明されているわけではありませんが、今のところ「男性から女性への感染」と「女性から男性への感染」の比率は3:1程度と推定されています。なお、ウイルスが入ったからといって必ずしも感染するものではありませんし、すぐに健康上の問題が起こるわけでもありません。
- HTLV-1感染が判明したら性行為は避けた方がよいですか
- 性行為による水平感染はコンドームを使用することでほぼ防ぐことができます。ただし、子どもを持つことを希望している場合には、まずパートナーと十分に話し合ってお互いの意思を確認してください。場合によってはHTLV-1電話相談窓口を活用したり、HTLV-1に詳しい医師に相談してみてください。
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- 現時点では充分な研究がされていないため、正確なことは分かっていません。一般的には、血液や粘液などが接触する行為は、HTLV-1感染細胞が生きた状態のまま体内に入りやすいことが考えられるためリスクが高まると想像されますが、確認されておりません。
- 輸血感染とはなんですか
- 昭和61年(1986年)までは、献血されたすべての血液のHTLV-1抗体検査が行われていなかったので、輸血による感染がありました。今現在は、献血されたすべての血液に対してHTLV-1感染の有無を調べる検査が行われているので、輸血による感染の心配はありません。
- 輸血を受けたことがありますがHTLV-1に感染している可能性はありますか
- 輸血を受けた時期が、昭和61年(1986年)以降の場合は献血されたすべての血液に対してHTLV-1抗体検査が行われているので、感染の心配はありません。 輸血を受けた時期が昭和61年より前の場合は、確率は低いと考えられますが輸血で感染している可能性があります。
- 海外で輸血を受けたことがありますがHTLV-1に感染している可能性はありますか
- 一部の国では日本と同じように献血された血液のHTLV-1抗体検査が行われていますが、HTLV-1抗体検査を行っていない地域が多いようです。HTLV-1感染者が比較的多い地域であるカリブ海沿岸や南米などの地域で輸血を受けた場合は、感染している可能性があります。
- HTLV-1の感染力は強いのですか
- HTLV-1感染細胞は、乾燥や熱、洗剤、水の中などで簡単に死んでしまいます。HTLV-1は感染細胞が生きたままの状態で大量に体内に入り込むことがない限り感染しないので、感染力は弱いと考えられています。
- HTLV-1は日常生活でうつりますか
- HTLV-1感染細胞が生きたままの状態で大量に体内に入り込むことがない限り感染しないので、日常生活で感染することはありません。くしゃみや咳でもうつりませんし、隣に座る、握手をする、キスをする、一緒に食器を使う、一緒にお風呂やプールに入る、トイレを共用するといった日常の生活の中でうつることはありません。
ただしHTLV-1感染細胞が生きた状態でいる血液には注意が必要です。血液が付着した歯ブラシやかみそりを共用すること、消毒が不十分な器具を使用してピアスの穴をあけること、不特定多数とコンドームをしない性交渉を行うこと、刺青(タトゥー)を入れること、同じ注射器を使って違法薬物などを回し打ちすることなどは感染の可能性がある危険行為です。 - 医療行為でHTLV-1に感染しますか
- HTLV-1感染者からの献血による輸血(注 昭和61年以降、献血されたすべての血液はHTLV-1抗体検査で感染の有無が確認されているので現在はありません)、HTLV-1感染者からの臓器提供を除いては、何らかの医療行為を受けたことによる感染はありません。歯科治療、はり治療などによる感染の報告はありません。
- HTLV-1は遺伝しますか
- HTLV-1は、生殖系の細胞(精子や卵子)には感染しないので、遺伝はしません。また遺伝子の異常によっておこる病気ではありませんので、遺伝はしません。ただし、HTLV-1に感染している母親から生まれた子どもに母乳などを通してHTLV-1感染細胞が移行すると、HTLV-1ウイルスに感染することはあります。このように、HTLV-1は感染する可能性はありますが遺伝はしません。