ATL患者さんへ
ATL患者さんへ
成人T細胞白血病・リンパ腫(adult T-cell leukemia-lymphoma:ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T-cell leukemia virus type 1: HTLV-1)というウイルスがT細胞というリンパ球に持続的に感染することによって起こる血液腫瘍です。ATLは、世界的にみると希少(まれ)な血液がんですが、日本は九州・沖縄地方を中心に患者さんの頻度が高いATL好発国です。ATLは、病変分布や検査所見により急性型・リンパ腫型・慢性型・くすぶり型の4つのタイプに分けられ、特にアグレッシブタイプ(急性型・リンパ腫型・予後不良因子を有する慢性型)は、ATLの約8割を占め予後不良とされます。
本研究の目的は、アグレッシブATLと初めて診断された患者さんに情報(診断、治療内容、治療経過など)・試料(血液、口腔粘膜など)・データを提供いただくことを通じて、予後不良な希少がんであるアグレッシブATLを対象とした全国規模の患者登録システム(「レジストリ」といいます)および試料収集・保管システム(「バイオレポジトリ」といいます)を構築することです。ATLは希少がんであるため、少しでも多くの患者さんに協力いただき、またいただいた情報・試料・データを国内外の研究者に広く利用していただくために、レジストリ・バイオレポジトリの仕組みを構築する意義は高いといえます。さらに、いただいた情報・試料・データを詳細に解析することにより、アグレッシブATLの予後に影響する因子を明らかにし、患者さん個々の予後予測や治療選択に役立つマーカーを探索し、将来の患者さんの治療開発・予後改善につなげたいと考えています。
よくある質問
- 研究に参加したいのですが
- 本研究に参加いただくためには、研究に参加している医療機関(共同研究機関)を受診いただく必要があります。共同研究機関の担当医から十分に説明を受け、本研究への参加に書面で同意いただくと、研究に参加いただくことができます。ただし、本研究に参加するかどうかは、あなた自身の考えでお決めください。本研究についてさらにくわしく知りたい場合は、研究の実施に支障のない範囲で研究計画書を閲覧することもできますので、担当医にお尋ねください。なお、本研究に参加しない場合でも、あなたはなんら不利益を受けません。また、研究の参加に同意したあとでも、いつでも、またどんな理由でも研究参加をとりやめることができます。その場合も、あなたはなんら不利益を受けません。
- どの施設で本研究を実施していますか
- 本研究を実施している医療機関は、以下のページをご参照ください。
- JSPFAD、HAMねっとに参加しているのですが、本研究にも参加できますか。
- はい、可能です。本研究では、あなたが以前JSPFADやHAMねっとに登録されていても、アグレッシブATLを発症された場合には、参加いただくことができます。本研究・JSPFAD・HAMねっとのうち二つまたは三つに重複して参加いただいた場合には、それぞれの研究で得られた情報・試料・データ情報を、それぞれの研究で利用させていただきます。情報・試料・データの相互利用により、本研究の目的である予後因子の検討や個別化医療の確立について、HTLV-1感染から(まれにHAMを経て)アグレッシブATLに至る一連の経過で解析・考察することが可能となります。なお、本研究、JSPFAD、HAMねっとでの情報・試料・データの相互利用には、匿名化のために、登録患者に発行される研究用登録番号(難病プラットフォームID等)を用います。
- 研究の期間はいつまでですか。
- 患者さんの登録期間は、2026年3月31日までです。研究を通じて得られたデータの解析期間を含む総研究期間は2031年3月31日までです。